吐き気を伴う頭痛

吐き気を伴う頭痛とは

吐き気を伴う頭痛頭痛はありふれた疾患であり、日本人の約40%は、慢性的な頭痛持ちともいわれています。慢性的ではなくても、風邪をひいた時や頭をぶつけた時などで頭が痛いと感じた人はほぼ全員だと考えます。そのような中で、頭痛には様々なタイプがあり、国際頭痛分類では数多くの頭痛が示されています。そんな頭痛のなかでもこわい頭痛の特徴である吐き気を伴う頭痛にはどのような病気があるかを解説します。

頭痛の種類

頭痛は大きく分けると、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。一次性頭痛は原因が頭部や脳そのものにあって頭痛が起こるもので、片頭痛や緊張型頭痛が代表的です。一方で他の病気が頭痛の原因となっているものが二次性頭痛で、脳卒中や脳腫瘍が典型的です。
これらを含めて二次性頭痛の原因には多くの病気がありますが、病院での検査で特に調べるものはこの脳卒中と脳腫瘍になります。その一番の理由は日常生活に支障がおよぶことや、時には命にかかわることがある病気であるためです。
頭部MRI検査により脳卒中や脳腫瘍の有無の診断を行います。
その他、頭痛に対する問診や血液検査などで総合的に診断し、頭痛が一次性または二次性の診断を行います。

一次性頭痛

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など

二次性頭痛

脳卒中、脳腫瘍、髄膜炎、慢性硬膜下血腫、緑内障、副鼻腔炎など

危険性の高い頭痛の特徴

  • 40歳以上で初めて経験する症状
  • 突然の頸部痛
  • 意識の低下や意識消失を伴う場合
  • 突然の激しい頭痛
  • 最近になり初めて経験する頭痛
  • 吐き気に加えて、ろれつが回らないとか目が見えにくいなどの症状がある
  • がんや免疫不全疾患などで治療中である

これらのような症状を伴う場合は頭痛の原因となる病気が潜んでいる可能性があります。
特に脳卒中や脳腫瘍が原因であると治療を急ぐ必要もあるために、症状を我慢せずに病院を受診し、検査を受けることをおすすめします。

吐き気を伴う頭痛の種類

頭痛がひどいと吐き気もあるという経験を持っている人も多いと思います。
日常生活で特に悩んでいる頭痛に吐き気を伴う場合の典型的なものは脳卒中、髄膜炎、片頭痛の主に3つになります。

脳卒中

脳卒中脳への血液の流れに異常が生じて起こる病気の総称です。大きく2種類に分類されます。血液の流れが途絶える脳梗塞と血管が破綻して出血を起こす脳出血です。脳出血の中でも動脈瘤が破裂して生じるくも膜下出血は特に重症です。
これらの病気は突然起こります。脳のどの部分に発生するかによってどのような症状が出るかが決まりますが、代表的なものとしては急に手足のマヒが生じたり、言葉が出なくなったりする上、重症な場合は意識がなくなります。
脳卒中を起こす人の多くは生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)を併せ持っています。これらの病気は動脈硬化を進行させるために脳卒中を起こしやすくするのです。
脳卒中の原因が何であるかにより治療の方法が決まります。脳の血管が詰まったの場合は脳梗塞になることから血液の流れを良くする治療が必要となり、脳の血管が破れて出血した場合は脳出血、また脳の動脈瘤が破裂した場合はくも膜下出血になるために出血を抑える治療が必要となります。頻度としては脳梗塞が一番多く、脳卒中の約7割を占めています。

脳卒中

髄膜炎

髄膜炎は脳や神経を包む髄膜という膜に炎症が起きたもので、細菌やウイルスが原因の感染性であることもありますが、がんや薬剤が原因の非感染性で起こることもあります。
脳全体に影響がおよび頭痛や発熱、吐き気などの症状が強く出ます。さらに、髄膜刺激症状と呼ばれる首を前に曲げると痛みがあるといった特徴的な症状を起こすことが多く、また感染性の場合には初期症状として風邪の症状が主体であることがあります。

片頭痛

片頭痛・偏頭痛典型的な片頭痛としては頭のどちら側かが脈打つようにズキンズキンと痛くなるものです。
これに加えて中等度から重度の頭痛であり、動作により悪化するといった特徴を持っていて、痛みの持続時間は4〜72時間というものが片頭痛の診断基準になっています。さらには頭痛が起こる前に閃輝暗点といった典型的な前兆がある人もいればこれがない人もいるのと、片頭痛の発作が起こっているときにめまい感を伴うのか、片麻痺が一緒に出たりしているのかなどの特徴により病名を区別していきます。片頭痛の発作時には吐き気や嘔吐が伴っていたり、光や音、臭いに敏感になってしまい暗くて静かな場所で寝込んでいたりする特徴もあります。
普段起こる頭痛がこのような特徴に当てはまるのかを考えてみてください。もしも片頭痛の可能性が高い場合には片頭痛用の薬が有効である可能性があります。また、子供の片頭痛では両側性であることが多いとも言われています。

片頭痛

頭痛でよくある質問

片頭痛で治療中です。
食事で気を付けることは
ありますか?

食品に含まれる成分により、頭痛を引き起こしやすい物が含まれていますので注意が必要です。
代表的な成分を以下にあげておきますので参考にしてください。

アミン類であるチラミン

チラミンはチーズのほかにココアなどのカカオ製品、赤ワイン、たらこ、ニシン、ソーセージ、サラミ、発酵食品に含まれており、血管の拡張作用があるために片頭痛の引き金になります。

ポリフェノール

ワインやチョコレートに含まれており、血管を広げる作用があるために片頭痛の引き金になります。

アルコール

アルコールはストレス緩和やコレステロール低下、さらには身体の血行を良くして活性化する作用があるものの、血行の促進が血管を刺激するために片頭痛の引き金になります。

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デスクワークは頭痛が
起こりやすいですか?

長時間にわたり同じ姿勢でいることは頭痛の原因になります。特に、デスクワークで姿勢が固定されていると頚や肩の筋肉に凝りが発生して頭を締め付けられるような痛みである緊張型頭痛が起こりやすくなります。スマホを見続けるなど同じ姿勢を長時間続けることで悪化するため、30分に1回程度は休憩をとり、筋肉の緊張をほぐすために肩や首などをこまめに動かすストレッチをするようにしましょう。

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片頭痛か緊張型頭痛かの
違いがわかりません。

大きな違いは身体を動かしても頭痛が悪化しないかどうかです。片頭痛の場合は運動などで身体を動かすと頭痛が悪化するために、寝て過ごすことが多いです。一方、緊張型頭痛の場合は身体を動かすことで頭痛の悪化は認められないことが特徴です。

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吐き気を伴う頭痛は
すぐに受診を

吐き気を伴う頭痛は すぐに受診を吐き気を伴う頭痛について解説しました。この頭痛には脳卒中や髄膜炎などの二次性頭痛が隠れている場合があり注意が必要です。頭痛はよくある症状ですが、たかが頭痛と甘く見ず、いつもと違うと思ったら早めの受診をお勧めします。