MRI検査
MRI検査とは大きな磁石を使った画像検査です。検査台に寝た状態で検査を受けていただきますが、検査による画像を得るためには強力な磁場と弱い電波を使って調べていくことから、器械からは大きな音が発生するのと検査の間はじっとしていただく必要があります。
しかし、決して痛い検査ではありませんので、心配せずに力を抜いて寝た姿勢でいてください。この検査によって、身体を詳しく調べることが可能ですが、特に脳や脊髄、血管、関節などを調べるのに有用です。
当院のMRIについて
当院に設置されているMRI検査器械は富士フイルムヘルスケア株式会社の1.5T(テスラ)ECHELON smartという器械です。
脳神経外科領域の検査を中心に行うことができるプログラムが組まれていますので、造影剤を使用しなくても脳血管を検査できるMRAをはじめ、様々な条件での撮像が可能です。さらに、富士フイルムヘルスケア株式会社の提供するAI技術によりDeep Learningがソフトウェア上で作動することで、従来のMRI検査よりも高速化や自動化、高画質化が図られているため、より短い検査時間でMRI検査を行うことも可能です。
体動補正機能(RADAR)を使用した検査を行うことで、より精密な検査が実現可能となっております。
このRADAR補正を使用してMRI頸動脈プラークイメージング検査が行えるために、動脈硬化などが原因で発生する頸動脈のプラークの状態を測定することも可能です。
従来のMRIの器械では狭い空間でじっとしている必要があったために、閉所恐怖症の人には怖く感じてしまい、鎮静剤を使っての検査となっていましたが、特殊な検査用コイルを使ってMRI検査ができることから閉塞感より解放され、鎮静剤を使わなくても検査を受けていただくことが可能となりました。
このMRI装置は頭部検査だけではなく、頸部や脊髄、さらには身体や関節部の検査にも対応できるために、脳以外の病気で困っている人の画像診断にも活用できます。
超音波検査(エコー検査)
超音波検査とは耳では聞き取れない超音波を利用して血管や内臓などの形や状態などを画像化して調べる検査です。超音波検査用のプローブよりこの超音波を発生させて調べたい部分に当ててはね返ってくる反射波を映像化して画像を取得します。
超音波が伝わりやすいように検査をする体の表面に検査用のゼリーを塗りますが、検査自体は痛みもなく静かに受けていただけます。
超音波検査にて頸動脈部を測定することで動脈硬化や狭窄の評価を行います。ここの部分で動脈硬化や狭窄がひどい場合は脳梗塞を発症する危険性が高いので特に注意が必要です。
首の頸動脈の部分に超音波で測る器械を当てて血管の状態や血液の流れを測定します。検査にかかる時間は10分程度です。放射線を使用するレントゲンやCT、核医学検査などとは違って被曝しないため、誰でも安心して受けていただける検査です。
超音波検査(頸動脈)
頸動脈は首の表面近くにあるので超音波で調べやすい血管のひとつです。この部分に検査用のプローブを使って頸動脈の中を調べることができます。
検査によって確認するのは、動脈硬化によって厚くなった血管壁やこびりついたプラーク(脂肪などの線維など)や血栓などが出来ていないかを確認することができます。頸動脈は動脈硬化が起こりやすい場所のひとつで、動脈の動脈硬化が進行していると血管の中が狭くなり、さらに進むと血管が詰まって血液が流れなくなり脳梗塞を発症します。この動脈硬化を初期段階でとらえることも頸動脈超音波検査で出来ます。もしも頸動脈にプラークなどが認められた場合にはその程度を測定して治療方針を提案します。経過観察で良さそうな場合には定期的に超音波検査によって状態を測ることで病気の進行度も診ていきます。
通常は内膜の肥厚の程度を測ることで評価します。その際に動脈硬化の指標のひとつである「内膜中膜複合体肥厚度(IMT)」を計測します。IMT(Intima Media Thickness)とは、三層からなる動脈壁の内膜と中膜を併せた厚さのことです。頸動脈のIMTが1.1mmを超えると動脈硬化と診断され、同様に全身の動脈硬化の進行も進んでいるとされます。動脈硬化は老化でも進行しますが、通常であれば1.1mmを超えることはありません。またIMTの肥厚以外にも、血管壁に限局性の肥厚(プラーク)がみられることがあり、動脈硬化の重要な指標です。高血圧や高脂血症、糖尿病、肥満などがあると、血管壁が厚くなって脳血管障害や虚血性心疾患のリスクが高まります。
血液検査
血液検査は血液内に含まれている細胞や酵素、抗体などの数を測定して数値化し、身体の状態や病気の診断、病気の危険性などを測る検査です。
生活習慣病の中には、自覚症状が現れる前に病気が進行しているものもあり、血液検査にて早期に危険性や診断を行うこともできます。 早期にリスクを知ることで、生活習慣の改善や予防に役立てることも可能です。
また、腫瘍マーカーやホルモンも測定することが可能です。病気の種類によっては非常に高い数値になっていることがあり早期発見に有用です。