運動と頭痛
運動と頭痛との関係について説明します。
運動は頭痛の原因になるということが以前から言われていましたが、最近の研究報告では片頭痛の予防効果があるとする結果が得られています。これはどういうことなのかというのを説明いたします。
片頭痛の原因として
急な運動や激しい運動が片頭痛の原因になると言われています。これは身体に対して急激な変化が起こることがストレスになるのと、急な心拍の増加が血流の増加につながるので血管を刺激する結果として頭痛が起こる可能性があります。これを予防するためには徐々に負荷をかけて、スローペースでの運動を始めていくことが身体への負荷が急激にならないで済むために片頭痛が起こらなくなります。
さらに、体内のエネルギー消費が大きくなるので血液中の血糖値が下がっている状態も片頭痛の原因となります。ダイエット中などでエネルギー補給の制限をしているようであれば、急激な運動を避けてゆっくりとしたペースを心掛ける上にある程度のエネルギー補給も考慮してください。
片頭痛の予防
最近の研究報告の中では適度な運動による片頭痛発作の予防効果が指摘されています。定期的な運動をしている人では発作回数の抑制が得られているようです。
WHO推奨の運動を行うことで片頭痛発作の軽減が得られているようです。このWHO推奨の運動とはどのようなものかというと、中強度の有酸素性の身体活動を週に150~300分、または高強度の有酸素性の身体活動を週に75~150分とのことです。
急な運動を避けて徐々に行っていることであれば発作予防につながっているようなので、試してみる価値はあると思います。
先日は学会でも発表したのですが、スポーツ選手では片頭痛発作を持っている人の頻度が少ない傾向がありました。しかも、緊張型頭痛は誰もいませんでした。やはり、運動により頭痛の軽減が図れるとは思うのですが、どれくらいの運動を自分ができるか次第かも。このバランスが難しそうです。
いかがでしたでしょうか。片頭痛発作には運動自体が良くないわけではなく、運動の仕方や取り組み方次第で発作の原因になったり予防になったりすることが分かってきています。身体の健康維持としても適度な運動を心掛けた方が身体能力だけではなく、精神的な活動の活性にもつながりますので、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。もちろん、頭痛体操もやってみるといいと思います。スッキリとした日常が送れることを願っております。